■Hans J Wegner ハンス J. ウェグナー (1914-2007,Denmark)
デンマークを代表するデザイナー、ハンス J. ウェグナーは、20世紀を代表する世界的な家具デザイナーの一人です。デンマークデザイン界において、最も創造性と独創性に溢れれたデザイナーと言えます。
若干17歳で木工マイスター取得。その後も地元トナーで家具職人として経験を積み、21歳の時に兵役のためコペンハーゲンへ。
デザインの必要性を感じ美術工芸学校へ入学した際に生涯の友モーエンセンと出会う。
卒業後はヤコブセン事務所へ入所してオーフス市庁舎の家具デザインを担当。
独立後はコル・クリステンセンの目利きと手腕により、その名が広がっていく。
椅子の巨匠として知られ、500脚以上の椅子をデザインしています。そしてその多くが現在名作として、国際的に高い評価を受けています。
「デニッシュモダンと言われるあの独特のスタイルはどのように作られたのか」と、デンマーク国外の人々から頻繁に聞かれていたウェグナー。デザイン界の大きな流れとなった、デニッシュモダンを牽引したデザイナーの一人としてウェグナーは、これに対しこう答えたことがあります。
「デザインをより純粋なものにしていくプロセスによって作られたのだと思います。私にとってそれは、よりシンプルにしていく作業。4本の脚、座面、背、アーム、そしてそれをつなぐフレームというように、必要最小限なところまで、無駄をそぎ落とすということなのです。」
シンプルな美と機能性を追求し、その家具の核となるもの、その家具の本質ともいえるべきものを露わにしていく。これが、ウェグナーが後世に遺した最も大きな功績と言えます。
ウェグナーならではのフォルムや美しい接合部を創り出す基盤となっているのは、家具職人としての技術と知識。そして美的センスは、木材への深い造詣と、天然素材への探究心がベースとなっています。
これがウェグナーならではの、ミニマリスティックでありながら温もりのある、オーガニックなフォルムを創り出しています。